有名な
エンドウマメの交配実験は
1853年から1868年までの間に行われた。エンドウマメは品種改良の歴史があり様々な形質や品種があり、人為交配(
人工授粉)が行いやすいことにメンデルは注目した。次に交配実験に先立って、種商店から入手した 34品種のエンドウマメを二年間かけて試験栽培し、形質が安定している(現代的用語で
純系に相当する)ものを最終的に 22品種選び出した。これが遺伝法則の発見に不可欠だった。メンデル以前にも交配実験を行ったものはいたが、純系を用いなかったため法則性を見いだすことができなかった。
その後交配を行い、種子の形状や背の高さなどいくつかの
表現型に注目し、数学的な解釈から、
メンデルの法則と呼ばれる一連の法則を発見した(優性の法則、分離の法則、独立の法則)。これらは、遺伝子が
独立のときのみ成り立つものであるが、メンデルは染色体が二対であること(
複相)と共に、独立・
連鎖についても解っていたと思われる。なぜなら、メンデルが発表したエンドウマメの七つの
表現型は、全て独立遺伝で 2n=14であるからだ。 <註:後世の研究により7つの形質の対応する遺伝子のうちいくつかは連鎖していることが示されているので,原文のような憶測はもはや成り立たない.独立の法則の導出に使われた形質の組み合わせは,運良く独立の相同染色体に載っていたか,もしくは連鎖していたにもかかわらず距離が離れていたためかなりの確率で交差を起こし,あたかも独立であるかのように見えたかのどちらかであると考えられる;参考文献,Mendelian controversies: a botanical and historical review. Fairbanks and Rytting, American Journal of Botany,2001;88:737-752>