これはもともと「ランニング・フットマン」と呼ばれ、
歩兵などの非乗馬の兵士を任命したものである。後に、動員を解かれた
将校が気に入った
従兵を私的使用人として継続して雇用するような場合に用いられるようになり、やがて主人やその賓客が着席して食事する場合に〈立ったまま〉給仕する家庭内使用人にも適用されるようになった。
男性の召使は女性の召使よりかなり高給であり、またフットマンを持つことはひとつの贅沢であったので、召使を雇う階級のステータスシンボルでもあった。フットマンの担う役割は、
コックや
メイドのようには(さらには
執事ほどにも)不可欠なものでなく、最も大きなお屋敷にしかいなかった。フットマンは「使う」対象であるとともに「見せる」ための存在でもあり、背の高いフットマンは低い者より優遇され、外見の良さ、特に脚の形が良いことが重視された。それを強調するため、フットマンは膝丈の
半ズボンにストッキングという伝統的な衣装を着用していた。フットマンは未婚であることが求められたため比較的若年の場合が多かったが、他のポスト(執事など)に昇進する可能性もあった。19世紀のフットマンの一人で自らの日記を出版したウィリアム・テーラーは、当時実際には結婚していたものの、それを雇い主には秘密にしておき、休日にだけ家族を訪れていた。