発酵食品は、採れたままの
食材に対して、何らかの発酵に基づく加工が成された食品である。なおこの発酵だが、近代における
微生物学など科学の発達によって、主に
微生物などの働きであることが理解されるようになってきたものの、古くは「理由は解らないが所定の
工程を行なうことで概ね同じような状態に変化する」という現象を利用することで連綿と行なわれてきた。このため、一概に発酵食品とはいっても微生物の存在が理解される以前から行なわれていることにも絡んで、微生物の作用以外に
酵素の働きによるものや生物の自己消化(→
自己融解)作用による変化などもその類型に収まる。
こういった発酵食品の製造では、所定の微生物が働きやすく、逆に望まれない微生物(いわゆる
雑菌)の繁殖が起きないよう、環境を整えてやることが行なわれる。これによって、所定の微生物だけが食品の加工を行なう訳だが、これと同時に
腐敗など食用に適さない状態変化を起こすことが防がれ、結果的に保存性が高まる。このため発酵食品の一部には、
冷蔵庫など食料保存に便利な道具の発達以前より、食料資源を長く持たせるための
保存食としての側面も見られ、こと
乳酸菌による
乳酸発酵では発酵の過程で生産される
乳酸が雑菌の繁殖を抑えるため、比較的様々な地位に根付いた
郷土料理中に乳酸発酵による発酵食品が見出される。
なお余禄として発酵食品の範疇からは外れるが、自己消化の作用は
食肉の
熟成段階でも利用されており、適切な温度・湿度管理と所定の期間を置くことによって、
屠畜直後からは比べ物にならない風味と成る。これを積極的に行なう
乾燥熟成肉も一般的に食べられている。